四兄弟神の星 7 第二章 チェレン獣人の岩屋を脱出する 1
四兄弟神の星 7
第二章 チェレン獣人の岩屋を脱出する 1
淡い星の光が照す森の中。さらさらと雪解けの水が流れ出す。湖の氷が緩んで、大きな氷塊となって、風でがつんがつん、湖の中の小島に打ち寄せられている。
島の広場には小さな焚火が燃え、クリルは、自分を見詰めている子供達に話していた。
この島で育つ子供達は、まだ肌寒い季節に木の繊維を柔らかくして織り上げた衣服を着けただけだが、どの瞳も焚火の小さな光を受けてきらきら輝いている。
「このようにして、私達のこの世界を蘇らせたリュウはやって来たと、伝えられています。
それではリュウに真っ先に巡り合ったトロとオモンは、それから、どうしたでしょう?」
子供達は直ちに興奮して叫び出した。
「チェレン! チェレン! チェレン!」
クリルはにっこりと頷いた。
「そうです。では、オモンとチェレンの出合いを、次に話しましょう。
「寒い!」
暗い海から吹く北風に白い波が彼の立っている大岩に砕ける。
オモンは襟元を掻き合わせた。毛皮を纏っているにも拘らず、ぞくっとした。
波に洗われる滑りやすい岩を伝って、オモンは歩いていた。
沖は灰色に曇って、水平線は見分けられない。凪いだ海が鉛のように重い。
”ここが北の果てだ”
「痛!」
足にチクリとした感覚。見ると、掌ぐらいの石に大きな針が付いてもそもそ動いた。石には節があって、盛んに動いている。よく見ると、それはどの岩にもたくさん付いて、もそもそ動き廻っている。オモンを刺した奴は偶々当っただけのようだ。素知らぬ顔で離れて行く。
オモンは東側の視界を遮る程度の低い砂山に向った。
西の街に火の雨が降ったのは、つい去年のことのように思われる。
街から流れ込んだ難民を避けて、村人と北に逃げた彼は、一人ぼっちで怪異に囚われている所を、同じ村のトロやその父カラに救われた。
彼等の周囲にはリュウと鳥人ターナ以外誰も居なかった。草原にはラガーという大人しい動物と、生き物を見れば襲ってくる草原狼が居たが、夏にはリュウが捕えた数頭のラガー以外見かけなくなった。
カラ達は森や草原から穀物の原種を捜し出して畑を作った。カラもトロも元々真面目な農民だし、棒切れを振り回して遊んでいたオモンも農民の片割れだ。
夏が過ぎ、収穫の目途が立つと、リュウはトロとオモンに、何処かに人が生延びていないか、調べて来て欲しいと頼んだ。オモン達にもそれは必要だと思われた。
リュウと老いたカラが畑を守り、トロは東北に、オモンは北西に向った。
カラの地図によると、数日で海に着くだろうと思われたので、二人はそこで落合おうと約束していた。
砂丘に登って東の方を見ると、既に落葉した林が灰色の空の下に寒々しく広がる。その林を越えて険しい岩山が覗いている。
先程の寒気はその岩山から滲み出ているような気がする。
オモンは林にラガーを置いていた。野性のラガーだが、馴れやすく、可愛がると慕い寄って来る。
砂丘を下り林に入ると、日が翳って薄暗くなった。
立木に繋いだラガーの手綱を外していると、鋭い風を切る音と共に、激しい痛みを左腕に感じた。
「あ、しまった!」と、言う声。
一本の細い棒が腕に刺さっているのに気付く。
振返ると、十数人の人影が近付いて来た。
その先頭にいる者を見て、オモンは息を呑んだ。
”獣人か?”
獣人とは、獣の体に星人の上半身が付いた形の四本の足と二本の手を持つ人間である。
これは混血児に違いない。僅かの獣皮で身を覆った形は星人だが、毛深い身体と獣めいた容貌の巨大な男だった。
周囲に居るのは、ぼろ布や木の皮、稀に獣の皮を纏った星人の男達だ。
大男の横で華奢に見える若い男の手に簡単な作りの弓があった。
彼はまだ形を留めている布の衣服を着て、ぼんやり横の方を見ている。
若者の反対側で、抜け目なさそうな男がしきりに大男に耳打ちしている。木の皮を着たこの男は少し背が高く、大男の耳にやっと届いていた。
「チェレン、おまえは何を狙ったのだ」
大男が耳障りな声で喚いた。
「さっきまでここに居たラガーを狙った」
その若者が見ている方向にラガーは逃げ去っていた。
背の高い男は猶も、大男に囁いている。大男が胡散臭い目で見ると、彼はすっと大男から離れた。
「若いのがラガーと間違っておまえを傷つけた。すまなかったな。手当させるから一緒に来てくれ」
”気に入らんな。あの口には獣の牙がある”
彼等は狩からの帰りらしい。四人の男がかもしかに似た四つ足の獣を棒に括りつけて担いでいた。獲物の急所にはオモンの腕を傷つけたのと同じ細い棒が深々と刺さっており、頭部は無残にも叩き潰されている。
オモンは身震いした。
彼等は林の向うに見えていた険しい岩山に向った。
近付くと、その根元に洞窟の口が開いており、中に入ると、広く中央近くに小さな火が燃えて、幾つかの影が動いていた。煙はこの入口から流れ出ている。
オモンが横目で見ていると、大男はチェレンと呼んだ若者の弓矢を取上げ、奥の方に向って大声で喚いた。
「ララ、この役立たずめ、怪我人だ。手当してやれ」
火の光の届かない暗闇の中で動く気配がして、例の背の高い男が、その方にオモンを押しやった。
火の傍らでは先程の獲物が切刻まれている。
大男は入口を塞いで座込んだ。
たき火に近付いて、チェレンは小柄な人影に話し掛けられ、何かを手渡された。
「クリル、ありがとう。君は優しいね」
「昨夜、私は怖い夢を見た。
暗い夜がいつまでも明けない。
でもチェレン、貴方が矢を射ると朝になったわ」
「朝の来ない夜なんて、なかったじゃないか?」
チェレンはその白い物に齧り付いた。オモンの視線に気付くと、無邪気に笑って差し出す。
「あんたも食うかい?」
途端に周囲の男や女達の目付きが険しくなった。
オモンは急いでその場を離れ、示された暗闇に行った。
そこに一人の少女とも思える若い女がいることがわかった。
少女は蹲って、僅かに白く見える物、チェレンが女に貰って食べた物とどうやら同じ物を懸命に食べていた。
目の前に立ったオモンをぼんやりと見上げる。
”澄んだきれいな目だ”とオモンは感じた。
「海虫食べる?」
その白い物を差し出す。
「海虫?」
「岩の上を這っている針の付いた虫。
今日みたいに曇った日にはたくさん獲れる。
殻を取ると美味しい」
”ああ、あれがそうか”
と、オモンは先程海辺で自分の足を刺した針の付いた石を思い出した。
「チェレンにつけられた傷、治してあげる」
少女は汚れた指で矢を引抜くと、器用にくるくるとぼろ切れを巻き付けた。
「これで大丈夫。
海虫食べる?
チェレンの獲物、ここまで来ない」
広場には肉を焼くいい匂いが広がり始めた。隅でうごめく影は落着かないが、その場から動こうとはしない。
「クスシがまず食べる。
クスシの気が向けば、残りを皆が食べる。
奪い合いになるから危ない」
少女は火の方は見もせず、海虫の身をオモンの手に押し付けた。
食べてみると、つるんとして柔らかく旨い物だった。
「あの大男はクスシというのか」
「皆、クスシを怖がる。
一番強い。
誰も敵わない。
チェレンも怖がる。
キコも怖がる。
でもキコは賢い」
少女が更に暗闇に身を引いたので、オモンが振返ると、あの背の高い男が立っていた。
「ララ、客人は何か食べたか?」
「海虫を食べた」
男はオモンの方を向いて、その場に座った。
「私がキコ。あんたはどこから来たのかね」
「南の方だ。
砂漠と大きな草原を越えて来た。
どこかに人が居ないだろうかと、思ってな。
私の名はオモン」
「ここ以外に人が居たか?」
「見掛けなかった」
「そうだろうな。
西の街に火の雨が降ってから、俺達はここまで逃げて来た。この辺りは俺達だけだ。
他の奴らは、この南をもっと東に行った。
それも十何年も前の事だ。
草原には、大きな狼がいるのではないか?」
「夏は小さな群だし、一頭ぐらいなら、棍棒で十分だ」
男はじろじろ、値踏みするようにオモンを眺めた。
「おまえは一人か?
今まで、どのように暮していた?」
「友達が、一人いる。
東に行った。
私も行くつもりだ」
「東の森は危険な獣が多い。
止めた方がいい」
「ここは安全か? 住み易いか?」
オモンは逆に尋ねた。
男はちらっと後に視線だけを向け、言った。
「獣からは安全だ。
海虫や狩の獲物が充分あれば住み易い」
「獣人のことか?
どうして獣人がここにいるのだ?」
「街の金持が奴隷として使っていた。
始めは大人しかったし、重宝した。
食料のない冬、彼に食べさせなかったら、彼は金持を食べた。
私がまだ子供の頃だ」
「獣人を扱うのはむつかしいという事だが」
キコは答えず立ち上がって、少女の方を見た。
「それでは、もう休んで貰おう。
池の上の洞穴なら、ゆっくり休めるだろう。
ララ、案内しなさい」
急にキコに促されて、気付くと、獣人クスシが大きな肉塊を噛りながら、こちらを見ている。
オモンは洞窟の更に奥の暗闇に導かれ、困惑した。
”これでは、外に出られない”
そうでなくとも、出入口にはあの大男が居る。
”捕えられた!”
第二章 チェレン獣人の岩屋を脱出する 1
淡い星の光が照す森の中。さらさらと雪解けの水が流れ出す。湖の氷が緩んで、大きな氷塊となって、風でがつんがつん、湖の中の小島に打ち寄せられている。
島の広場には小さな焚火が燃え、クリルは、自分を見詰めている子供達に話していた。
この島で育つ子供達は、まだ肌寒い季節に木の繊維を柔らかくして織り上げた衣服を着けただけだが、どの瞳も焚火の小さな光を受けてきらきら輝いている。
「このようにして、私達のこの世界を蘇らせたリュウはやって来たと、伝えられています。
それではリュウに真っ先に巡り合ったトロとオモンは、それから、どうしたでしょう?」
子供達は直ちに興奮して叫び出した。
「チェレン! チェレン! チェレン!」
クリルはにっこりと頷いた。
「そうです。では、オモンとチェレンの出合いを、次に話しましょう。
「寒い!」
暗い海から吹く北風に白い波が彼の立っている大岩に砕ける。
オモンは襟元を掻き合わせた。毛皮を纏っているにも拘らず、ぞくっとした。
波に洗われる滑りやすい岩を伝って、オモンは歩いていた。
沖は灰色に曇って、水平線は見分けられない。凪いだ海が鉛のように重い。
”ここが北の果てだ”
「痛!」
足にチクリとした感覚。見ると、掌ぐらいの石に大きな針が付いてもそもそ動いた。石には節があって、盛んに動いている。よく見ると、それはどの岩にもたくさん付いて、もそもそ動き廻っている。オモンを刺した奴は偶々当っただけのようだ。素知らぬ顔で離れて行く。
オモンは東側の視界を遮る程度の低い砂山に向った。
西の街に火の雨が降ったのは、つい去年のことのように思われる。
街から流れ込んだ難民を避けて、村人と北に逃げた彼は、一人ぼっちで怪異に囚われている所を、同じ村のトロやその父カラに救われた。
彼等の周囲にはリュウと鳥人ターナ以外誰も居なかった。草原にはラガーという大人しい動物と、生き物を見れば襲ってくる草原狼が居たが、夏にはリュウが捕えた数頭のラガー以外見かけなくなった。
カラ達は森や草原から穀物の原種を捜し出して畑を作った。カラもトロも元々真面目な農民だし、棒切れを振り回して遊んでいたオモンも農民の片割れだ。
夏が過ぎ、収穫の目途が立つと、リュウはトロとオモンに、何処かに人が生延びていないか、調べて来て欲しいと頼んだ。オモン達にもそれは必要だと思われた。
リュウと老いたカラが畑を守り、トロは東北に、オモンは北西に向った。
カラの地図によると、数日で海に着くだろうと思われたので、二人はそこで落合おうと約束していた。
砂丘に登って東の方を見ると、既に落葉した林が灰色の空の下に寒々しく広がる。その林を越えて険しい岩山が覗いている。
先程の寒気はその岩山から滲み出ているような気がする。
オモンは林にラガーを置いていた。野性のラガーだが、馴れやすく、可愛がると慕い寄って来る。
砂丘を下り林に入ると、日が翳って薄暗くなった。
立木に繋いだラガーの手綱を外していると、鋭い風を切る音と共に、激しい痛みを左腕に感じた。
「あ、しまった!」と、言う声。
一本の細い棒が腕に刺さっているのに気付く。
振返ると、十数人の人影が近付いて来た。
その先頭にいる者を見て、オモンは息を呑んだ。
”獣人か?”
獣人とは、獣の体に星人の上半身が付いた形の四本の足と二本の手を持つ人間である。
これは混血児に違いない。僅かの獣皮で身を覆った形は星人だが、毛深い身体と獣めいた容貌の巨大な男だった。
周囲に居るのは、ぼろ布や木の皮、稀に獣の皮を纏った星人の男達だ。
大男の横で華奢に見える若い男の手に簡単な作りの弓があった。
彼はまだ形を留めている布の衣服を着て、ぼんやり横の方を見ている。
若者の反対側で、抜け目なさそうな男がしきりに大男に耳打ちしている。木の皮を着たこの男は少し背が高く、大男の耳にやっと届いていた。
「チェレン、おまえは何を狙ったのだ」
大男が耳障りな声で喚いた。
「さっきまでここに居たラガーを狙った」
その若者が見ている方向にラガーは逃げ去っていた。
背の高い男は猶も、大男に囁いている。大男が胡散臭い目で見ると、彼はすっと大男から離れた。
「若いのがラガーと間違っておまえを傷つけた。すまなかったな。手当させるから一緒に来てくれ」
”気に入らんな。あの口には獣の牙がある”
彼等は狩からの帰りらしい。四人の男がかもしかに似た四つ足の獣を棒に括りつけて担いでいた。獲物の急所にはオモンの腕を傷つけたのと同じ細い棒が深々と刺さっており、頭部は無残にも叩き潰されている。
オモンは身震いした。
彼等は林の向うに見えていた険しい岩山に向った。
近付くと、その根元に洞窟の口が開いており、中に入ると、広く中央近くに小さな火が燃えて、幾つかの影が動いていた。煙はこの入口から流れ出ている。
オモンが横目で見ていると、大男はチェレンと呼んだ若者の弓矢を取上げ、奥の方に向って大声で喚いた。
「ララ、この役立たずめ、怪我人だ。手当してやれ」
火の光の届かない暗闇の中で動く気配がして、例の背の高い男が、その方にオモンを押しやった。
火の傍らでは先程の獲物が切刻まれている。
大男は入口を塞いで座込んだ。
たき火に近付いて、チェレンは小柄な人影に話し掛けられ、何かを手渡された。
「クリル、ありがとう。君は優しいね」
「昨夜、私は怖い夢を見た。
暗い夜がいつまでも明けない。
でもチェレン、貴方が矢を射ると朝になったわ」
「朝の来ない夜なんて、なかったじゃないか?」
チェレンはその白い物に齧り付いた。オモンの視線に気付くと、無邪気に笑って差し出す。
「あんたも食うかい?」
途端に周囲の男や女達の目付きが険しくなった。
オモンは急いでその場を離れ、示された暗闇に行った。
そこに一人の少女とも思える若い女がいることがわかった。
少女は蹲って、僅かに白く見える物、チェレンが女に貰って食べた物とどうやら同じ物を懸命に食べていた。
目の前に立ったオモンをぼんやりと見上げる。
”澄んだきれいな目だ”とオモンは感じた。
「海虫食べる?」
その白い物を差し出す。
「海虫?」
「岩の上を這っている針の付いた虫。
今日みたいに曇った日にはたくさん獲れる。
殻を取ると美味しい」
”ああ、あれがそうか”
と、オモンは先程海辺で自分の足を刺した針の付いた石を思い出した。
「チェレンにつけられた傷、治してあげる」
少女は汚れた指で矢を引抜くと、器用にくるくるとぼろ切れを巻き付けた。
「これで大丈夫。
海虫食べる?
チェレンの獲物、ここまで来ない」
広場には肉を焼くいい匂いが広がり始めた。隅でうごめく影は落着かないが、その場から動こうとはしない。
「クスシがまず食べる。
クスシの気が向けば、残りを皆が食べる。
奪い合いになるから危ない」
少女は火の方は見もせず、海虫の身をオモンの手に押し付けた。
食べてみると、つるんとして柔らかく旨い物だった。
「あの大男はクスシというのか」
「皆、クスシを怖がる。
一番強い。
誰も敵わない。
チェレンも怖がる。
キコも怖がる。
でもキコは賢い」
少女が更に暗闇に身を引いたので、オモンが振返ると、あの背の高い男が立っていた。
「ララ、客人は何か食べたか?」
「海虫を食べた」
男はオモンの方を向いて、その場に座った。
「私がキコ。あんたはどこから来たのかね」
「南の方だ。
砂漠と大きな草原を越えて来た。
どこかに人が居ないだろうかと、思ってな。
私の名はオモン」
「ここ以外に人が居たか?」
「見掛けなかった」
「そうだろうな。
西の街に火の雨が降ってから、俺達はここまで逃げて来た。この辺りは俺達だけだ。
他の奴らは、この南をもっと東に行った。
それも十何年も前の事だ。
草原には、大きな狼がいるのではないか?」
「夏は小さな群だし、一頭ぐらいなら、棍棒で十分だ」
男はじろじろ、値踏みするようにオモンを眺めた。
「おまえは一人か?
今まで、どのように暮していた?」
「友達が、一人いる。
東に行った。
私も行くつもりだ」
「東の森は危険な獣が多い。
止めた方がいい」
「ここは安全か? 住み易いか?」
オモンは逆に尋ねた。
男はちらっと後に視線だけを向け、言った。
「獣からは安全だ。
海虫や狩の獲物が充分あれば住み易い」
「獣人のことか?
どうして獣人がここにいるのだ?」
「街の金持が奴隷として使っていた。
始めは大人しかったし、重宝した。
食料のない冬、彼に食べさせなかったら、彼は金持を食べた。
私がまだ子供の頃だ」
「獣人を扱うのはむつかしいという事だが」
キコは答えず立ち上がって、少女の方を見た。
「それでは、もう休んで貰おう。
池の上の洞穴なら、ゆっくり休めるだろう。
ララ、案内しなさい」
急にキコに促されて、気付くと、獣人クスシが大きな肉塊を噛りながら、こちらを見ている。
オモンは洞窟の更に奥の暗闇に導かれ、困惑した。
”これでは、外に出られない”
そうでなくとも、出入口にはあの大男が居る。
”捕えられた!”
| HOME |


